
1 兼業化の進行(第2種兼業農家の増大) 1970年代(昭和45年〜)
1970年代の福井県農業は、兼業農家が他産業に就業しながら営農に取り組むために、早くから機械化(バインダー、コンバイン、田植機)、ほ場整備を実施し,カントリーエレベーター等の施設整備を進めてきた。これによって農作業の時間が短縮されたことで、農外所得を主とする第2種兼業農家が急増した。昭和35年(1960年)には約2.5万戸だった第2種兼業農家は、昭和45年(1970年)には約3.9万戸へと大幅に増えた。兼業農家が農業を維持できる体制を整備することにより、地域農業を守った。
2 集落営農組織の誕生 1980年代(昭和55年〜)
1980年代以降、兼業化や高齢化に伴う担い手不足、米の生産調整政策の拡大への対策として、集落営農の組織化が進んだ。県では、1983年度(昭和58年)から集落単位で水田を利用・管理する「集落農業」を進めた。国の「地域農業集団育成事業」を活用し、集落ごとにビジュンづくり、4ブロック輪作農法(水稲の早生・中生・晩生と大麦・大豆のを4つの団地に組み合わせた輪作体系)を推進した。これにより、経営単位の規模拡大、担い手確保、転作の効率的対応を実現した。集落全体で水田を守ることにより、地域農業を守った。
3 集落営農の協業化 1990年代(平成2年)~
1990年代は、米価下落と高齢化が進展。兼業農家中心の集落営農が限界を迎える中で、集落営農の経営体としての展開が必要となった。福井県で育んできた「集落農業」を集落ぐるみ型の組織経営体へ発展させ、オペレーターを中心とした農事組合法人を設立し、地主は水管理、草刈を実施し、配当を受ける仕組みが進んだ。県では、1991年「ふくい型農業」を提唱し、地域の特性を活かした低コスト・高生産水田農業を推進した。国の「新しい食料・農業・農村政策の方向」に即し、1993年(平成5年)の「農業経営基盤強化促進法」制定により「認定農業者制度」が創設され、担い手としての集落営農の協業化が進んだ。
4 集落営農の企業的農業法人化 2000年代~
担い手の高齢化や離農が進行し、集落営農は経営の高度化が必要となり、30ha以上の規模拡大、大型機械の導入、2年3作体系(水稲と麦・大豆、ソバ)、園芸導入が進んだ。国の「食料・農業・農村基本法」(1999年)に即し、県では2001年に「21世紀の食料・農業・農村ビジョン」を制定し、プロ農業者の育成を進めた。2007年の「品目横断的経営安定対策」の導入を契機に、補助金の受取条件となる地域農業の担い手として「特定農業法人」が増加した。
5集落を超えた広域営農経営体 2010年代~
法人の構成員(オペレーター)の高齢化と地権者の離農がさらに進み、「地域農業の担い手」として、集落営農を再編し、複数集落~旧村単位の法人化が進んだ。国の2010年「食料・農業・農村基本計画」に即し、県では2014年「ふくいの農業基本計画」を策定し、儲かる農業者育成戦略を進め、メガファーム育成(100ha規模の大規模経営スマート農業、高度園芸導入、販売・加工事業の複合経営)を推進した。2014年農地中間管理機構が設立され、地域農業を守る担い手への農地集積が進んだ。